縦穴の先はやはりポータルを開く儀式の間へと続いていました。

中央の祭壇に仁王立ちしている者こそ、赤き手の群の首魁アザール・クルに違いありません。両脇には先ほど取り逃がしたエリニュスどもが控え、30フィートほど上の回廊にはホワイト、ブルー、レッド、ブラック、グリーンと各色そろった大型サイズのドラゴンたちが!

「ぜんぶかよ!」

プレイヤーの声が一致します。ごめんなさい。ここも元はアビシャイがいたんですが、ミニチュア発売されてないし、せっかくクロマティック・ドラゴン全色揃えたんだからとDMが調子に乗りました。しかしまあこのパーティ、もともと竜や竜の血のクリーチャー用に装備や呪文を用意してあるのですから大丈夫でしょう。きっと……

ところで穴から顔を出して「全色いるぞ!」と叫ぼうとしたアルタイオスは気付きました。なんとこの部屋の中では声がでません!

そう、部屋にはティアマト信者以外に作用するサイレンスを定着させたアンハロウがかかっていたのです。まあ悪の宗教組織の本部に踏み込めばその程度のことはあるでしょうな。まあがんばれ(笑)

祭壇にたたずむ竜魔王は英雄たちをねめつけて言います。

「貴様らがここまで来たということは、我が父もみまかったか。我が名は竜魔王アザール・クル。ブルー・ドラゴン・タイアガランの息子にして赤き手の群を率いるもの。父の仇、取らせてもらうぞ!」

そして最後の決戦の火ぶたが切られたのです。