■2009年01月20日(火)20:57
いよいよ今月末にはD&D4版のダンジョン・マスターズ・ガイドが発売されるわけですが……
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ちょっと前の話になりますが、DMG4版の校正チェック時に翻訳チームの柳田氏がつぶやかれたこと
「中学生のときにこのDMGを読んでいたら、僕は友達を無くさずにすんだ」
いやまあ、氏は非常に社交的で人当たりもいい上にイケメン(コンチクショウ)なんで、これ自体は一種の冗談なんですが(笑)
それはそうとして、4版のDMGの冒頭2章までは、ルール的なことは何にも書いてなくて、マスタリング・ガイドというか、セッション運営ガイド、あるいはプレイグループ運営ガイドのようなものとなっています。
で、今まで多くのルールブックやTRPG関連の記事(特にプロの書いたもの)が言及を避けて来たことが、さりげなくもズバっと書いてあったりするのです。
よーするに、TRPGという遊びは人間を集めてやるものであり、人にはそれぞれ好みがある。人によって楽しいと思うことは違うんだということ。
では、いろんな嗜好を持った人を集めて遊ぶというのはどういうことなのか、どうやったら楽しい遊びができるのか、ということ。
各プレイヤーの嗜好を満足させてあげると同時に、各プレイヤーが自分の好みの方向につっぱしりすぎて、他のプレイヤーの楽しみを台無しにしない気配りが必要だということ。
そして極論すれば、どうしても一緒に楽しく遊べなさそうなメンツとは、無理にいっしょにD&Dを遊ぶ必要はないということ。
その他「セッション」という活動を定期的に行なうのに必要な心得とか準備について。
いや、これってけっこう重要だと思うんですよね。
ロール・プレイング・ゲームの発生の経緯とか歴史とかはいろいろありますが、現状でTRPGが他の「ゲーム」に比べて持っている最大の特徴の1つは
「競技でもないのに、複数の人間が物理的に集まって、顔つきあわせて遊ぶ」
ということではないかと思います。
スポーツ競技とか囲碁将棋みたいな勝負事ならいいのです。基本的にはルールに従って勝敗を決するのが目的で集まってますから、人間として最低限のマナーと、スポーツマンシップさえ守られていればいい。人間関係的にはニクいアンチクショウだけど好敵手とか、そういう付き合いかたもあるでしょう。
しかしD&Dも含めてTRPGの場合、ルールもシステムも背景設定も、究極的には「みんなで楽しい時間を過ごす」ためのツールというか、材料に過ぎないわけで。
結局は友達付き合いとか、互いの嗜好を理解することとか、もてなしの心とか、どうやったらみんなで楽しい時間を過ごせるかってとこに本質があるんだなーと。
以前どこかで「DMをするということはホームパーティのホストをすることだ」と言ったことがあると思うんですが、ああ、やっぱりキモはそこなんだなーと再確認させられました。
ようは「人と遊ぶ」ってことなんだ。
こう考えていきますとね、TRPGのセッションってのは、もうこれはむしろ「茶道」とかに近いんじゃないかと思えてきます。「TRPG道」ですよ。
編集さん………てか営業さんに怒られるのを覚悟であえて言いますと、4版はルールだけのことを言えば、プレイヤーに必要なことはぜんぶPHBに入ってるんです。魔法のアイテムもPHBに載ってるから、買い物もぜんぶ1冊で済むし、基本的に馬呼んだりクリーチャー召喚したりとかないから、3.Xeと違って、キャラクターのビルドにDMGやMMが必要なことはありません。
でもその一方で、4版のDMGはTRPGという遊びを長く続けたい人、あるいはTRPGを遊ぶってどういうことなんだろうと疑問に思ってる人には、みんな読んでもらいたい。
極論すれば、D&D以外のTRPGしか遊ばない人が読んでも、すごくタメになると思うのです。 | | |